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報酬は子どもの笑顔 日本おもちゃ病院協会会長/嶋田弘史さん |
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ドクターが数人集まりそれぞれの修理にあたっている(トイザらス市川店で) |
浦安で「おもちゃ病院 新浦安&ことぶき」開院
「報酬は子どもの笑顔」。日本おもちゃ病院協会(東京都新宿区)会長の嶋田弘史さん(73)は地元の浦安市で「おもちゃ病院 新浦安&ことぶき」を開院している。ドクターは15人。浦安市で4カ所、市川市、船橋市でそれぞれ曜日を決めて活動している。「おもちゃを直した時に、『おじさんありがとう』と言ってくれるだけでうれしくなります」と定年後の生きがいとなっている。
日本おもちゃ病院協会に登録している「おもちゃドクター」は約630人(2010年4月)。未入会のドクターや個人的に開院しているのを含めると全国で4000人以上が活動している模様だ。協会加入の千葉県のドクターも約34カ所で開院している。
嶋田さんは産業機械メーカーに勤務していた34歳ころ、単身赴任先の大阪で近所の子どもの自転車やおもちゃを直してやった。「子どもは不思議な顔をするんですね。そのうちに子どもが子どもを連れてきて直してくださいと持ってくるようになったのです。それ以来、現在までに数万個は修理したと思います」
協会は1996(平成8)年に組織化された。嶋田さんが入会したのはその翌年。定年前の事だ。活動が本格化した。
嶋田弘史さん |
治療費は部品代のみ
協会は厚生労働省が実施している「高齢者の生きがいと健康づくり推進事業」に参画しており、おもちゃドクター入門講座など事業を推進している。
修理代は原則的には無料で部品代だけ依頼者が負担する。「たとえば電池などは新しいものを入れてきてください、と伝えています。私たちが買った場合高くなることもあり得るのでね。はんだやのりは負担してもらうわけにはいかないので、会員の持ち出しになります。でも会員には缶ビール1本節約すればいいんだよと言っています」
修理場所は公民館や自治会集合場所などさまざまだが、「大型玩具店のトイザらスが積極的に支援してくれています。店の軒先を開放してくれて、修理が終了したおもちゃを子どもに渡してくれる店舗もあります」と感謝している嶋田さん。
ドクターは圧倒的に男性が多いが、その中で鹿児島県は2割が女性という。
楽しみは子どもの笑顔だけではなく、難しくて直せないときドクター全員で助け合って直した時の喜びも格別という。「短時間で直せるものがあれば、数日かかる時もあります。ドクターはおもちゃ2〜3個を自宅に持って帰り直します。私のおやじは軍医で『患者の患は心に串が刺さっている。子どもの心の串を取ってやるおもちゃ修理をしなさい』と教わりました」
「子どもが壊れたおもちゃを持って親と来ますが、なかなか手放なそうとしないのですね。不安みたいで。でも直し終わって動くおもちゃを見て大喜びです。モノを大切にする心も育みたいですね」
「拾った第2の人生、子どもの喜ぶ姿を見てみませんか」と団塊世代の積極的な参加を呼び掛けている。
問い合わせは TEL.047・352・7546 |
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