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収集品と自作品の郷土人形 |
収集熱高じて自ら製作も
「30年前にある雑誌に掲載されていた小さな記事を見てから病み付きになりました」とおもむろに話すのは滝田政行さん(66)。その記事は郷土玩具でそのかわいらしさに引かれて収集を始めた。「現在、3000個ほどですかね。20年前からは収集熱が高じて自分でも製作するようになりました」という。収集品と自作品を13日、14日に津田沼の「アートギャラリー咲いた咲いた」で展示する。
大手銀行に勤務していた滝田さん。休みがとりにくかった30年前にどうにかして有休を取り、長野県中野市に伝わる土人形「中野人形」を買いに出掛け1体だけ手に入れた。その後は趣味の会に入会したり、専門店で手に入れたという。
郷土玩具は張子人形や土人形、こけし、竹製品などあるが、「私はこけしや竹製品は郷土玩具とはいいにくい感覚です」。滝田さんが収集している土人形は京都の伏見で作られた伏見人形が原点とされ、江戸時代初期に全国に伝わったといわれている。
江戸時代後期から明治にかけては全国100カ所以上の土地で作られていたが、その後、衰退した。
今でもわずかながら生産しているが、中でも最初に滝田さんが買い求めた北信州の中野人形は人気が高い。中野の土人形は奈良家が製作する「中野人形」と西原家が製作する「立ケ花人形」がある。
滝田政行さん |
「土人形は懐かしさと手作りの素朴さに魅力があります」。滝田さんは年間を通じてひな人形、五月人形、えとを作る。「友人や親せきから要望があり、えとなどは100個作るときもあります」
滝田さんの製作過程は、(1)油粘土で原型を作る(2)2つに割って石こうを流し込み、型を作る(3)完成した石こう型に材料の粘土を流し込む(4)粘土を石こう型から抜く(5)2つを貼りあわせる(6)形を整える(7)再度乾燥→胡粉を塗る→顔料で彩色→ニスをかけて完成。
「テーマを決めての収集が一般的で七福神、とら、えとなどが多いです。私がえとを作るときは9月から取り掛かります。一つ一つ彩色をしていきますとそれくらいの時間がかかってしまいます」
癒やし効果もあって人気が出てくるのではと期待している。
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「ふる里郷土人形展」と「手作り市」
13日(金)、14日(土)午前11時〜午後3時、アートギャラリー咲いた咲いた(JR津田沼駅徒歩5分)で。
人形は約50点展示。TEL.080・3731・3131 |
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