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古い着物を仕立て直す会員 |
着物の良さを再発見
着物を洋服にリメーク。「父や母の着なくなった着物を仕立て直すことで親の思い入れを引き継ぐことができます」と話すのは「着物リメイク研究会」を主宰する市川市菅野の阿部嘉子さん(63)。古くなった着物を今着ることで着物の良さを再発見することにもつながると阿部さん。「会員がリメークした洋服を着てのファッションショーも30日に行います」と自作自演の演出も予定されている。
阿部さんは小学生の時、作文に「将来は洋裁の先生になりたい」と夢を書いた。その後、大学の家政学部被服科に進学、本格的に洋裁、和裁など被服全般について学んだ。
阿部嘉子さん |
リメークはまず着物をばらすことから始まる。そして洗濯、アイロンかけ、何を製作するか、製図おこし、裁断、仮縫い、本縫いと進む。着物は薄いため夏物はそのままでいいがコートなど冬物を製作するときは芯(しん)を張ってしっかりしたものに仕上げる。
リメークする洋服はコート、スーツ、ジャケット、ブラウス、ベスト、スカート、バッグ、帽子など多彩だ。「作るものによって半年、3カ月かかるものがあれば、2回目で仕上げてくる人もいます。創造性も大切になってきます」とセンスも必要だ。阿部さんは「男物の着物の柄が洋服に仕立て直すと何とも言えぬいい味わいになります」と洋服地にはない風合いが出るという。
自作の洋服を着てのファッションショー |
8年前から公民館を中心に講習会を開いており、現在は3カ所の公民館で3グループに月に2回1回22時間講習を行っている。中央公民館のあじさいの会、信篤公民館のかすみ草、柏井公民館のおとめ会のグループ。全員で40人が勉強している。
ファッションショーは今回で3回目。過去には立ち見の人が出るほどの人気。会員40人が自作の洋服約80点をまといモデルとして舞台に立つ。思い入れのある着物を洋服に仕立て上げることで着ていた人の意思を引き継げるとともに自己表現も体験できるという。
次回のショーは30日(土)市川市文化会館で午後1時半から。問い合わせはTEL.047・322・3466
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