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流山市で終戦65周年イベント 長崎写真展や癒やしコンサートなど開催 |
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中央が被爆樹で作ったコカリナを手にする黒坂さん、左が写真集を手にする上谷さん、右が「ことりなったエノキ」を手に白木さん |
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終戦65周年のことし、3つの題材をコラボレーションした企画が流山市で持ち上がっている。「原爆投下後の長崎の写真展」が6月8日から開催するのに合わせて広島の被爆樹で制作したコカリナのコンサートを行う。このコンサートをモチーフにした童話「ことりになったエノキ」を8年前に童話作家の白木惠委子さん(75)が出版した。今回この朗読も計画されている。
“被爆樹で制作のコカリナ 黒坂黒太郎さんが演奏 2008年8月にNHKスペシャル「解かれた封印~米軍カメラマンが見たNAGASAKI」として全国放送され一躍有名になったジョー・オダネルの写真集「トランクの中の日本」。早稲田大学の卒業生で構成されている流山稲門会有志がこの写真展を開催したいと、流山実行委員会を組織し「ジョー・オダネル写真展」を開催することになった。
実行委員長の上谷章夫さん(68)は「昨年、わたしが都内でジョー・オダネルの写真展を見てぜひ流山市で写真展を開きたいと思い稲門会の有志に話を持ち上げて開催にこぎつけました」といきさつを述べる。
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被爆樹で制作したコカリナ |
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そのオープニングイベントとして上谷さんが後輩のコカリナ奏者・黒坂黒太郎さんにコンサートをお願いして実現した。今回演奏されるコカリナは広島の被爆樹で作ったもの。
広島で傷痍軍人が入院していた病院の庭にあったエノキが原爆で半分になりながらも、小学生が水をやって懸命に世話をしたことから新芽も出て生きていた。これが戦後の大型台風で倒木、これを保管していた高校がコカリナ作りを黒坂さんに依頼した。
被爆樹は「真っ黒でとても駄目かなと思った」し、「エノキはコカリナに不向き」だと黒坂さんは思ったそうだ。小さなコカリナを6種類制作したところ、不思議な癒やしの音色を奏でることができた。以来、毎年広島に招かれ演奏をしてきた。
こうしたいきさつを当時の病院の看護師や黒坂さん、小学生らに取材して2002年に出来上がったのが童話「ことりになったエノキ」。出版したのは流山市で30年間創作童話の会「かざぐるま」のメンバーである白木惠委子さん。白木さんは「かわいそうなぞう」で知られる児童文学者・土家由岐雄氏の長女だ。
コンサートでは早大のアナウンス研究会に籍を置いていた菅原美代子さんがこの童話を朗読する計画もある。
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亡くなった幼い弟の亡きがらを背負い火葬場の前に立つ「焼き場に立つ少年」 |
ジョー・オダネル
占領軍として原爆投下後の長崎に入り、その破壊力を記録するため写真を撮影する一方で軍に隠れ内密に自分のカメラでおよそ300枚のネガを記録した。なぜオダネルは軍の規則に違反して写真を撮影したのか。帰国後、被爆者の記憶に悩まされ、悲劇を忘れようとすべてのネガを自宅屋根裏部屋のトランクの中に閉じ込め、43年間封印してしまう。
しかし晩年になって原爆の悲劇を訴え、母国アメリカの告発に踏み切っていく。原爆投下を信じる周囲から非難の声を浴びながら、昨年8月85歳の生涯をとじた。
子どもたちに戦争のない未来を
~ジョー・オダネル「トランクの中の日本」写真展
6月8日(火)~13日(日)、流山市生涯学習センター(つくばエクスプレス流山セントラルパーク駅徒歩3分)で。
約40点展示。無料。TEL04・7150・7474 |
♪この地球上に愛と希望を
~黒坂黒太郎コカリナコンサート
6月8日(火)午後2時~4時、流山市文化会館(流山電鉄流山駅徒歩10分)で。
被爆樹から誕生したコカリナで、演奏する平和への祈りを込めたスペシャルコンサート。出演はコカリナ・黒坂黒太郎、ピアノ・FUKUZAWA Tatsurou、ボーカル・矢口周美。曲目は鳥の詩、アメージンググレイスほか。前売り1500円(紀伊国屋書店流山おおたかの森店ほかで販売)。TEL04・7158・3462 |
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