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前列左から礒野さん、米村さん、宮崎優奈ちゃん、後列左から千藤さん、近藤さん、山内さん、宮崎さん |
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「腹話術で人とのコミュニケーションと自身の健康を得ています」と話すのは腹話術サークル「ふくわサークル」代表の君津市北子安・礒野章治さん(67)。「デイサービスや幼稚園、小学校などに出向いて演じます。とても喜んでもらい楽しいです」と笑顔で話す。
サークルができたのは君津市周西公民館の講座がきっかけ。2006(平成18)年10月から12月にかけて7回の教室が開かれた。この講座を発案したのは当時、副館長だった千藤尚志さん(62)。「地域づくりは人づくり。地域に役立つ意識や生きる楽しみや張り合いを見つけるために発案しました」。たまたま知り合いだった腹話術を演じていた米村紀子さん(69)に講師を依頼して教室がスタートした。
基本呼吸法・発声法、人形操作など練習
07年に教室に参加していた8人でサークルが発足。以後、毎月第2・4水曜日に練習を重ねた。米村さんは「腹話術は反射神経を活用した芸です」。基本呼吸法、基本発声法、動唇音発声法、人形操作などすべてを繰り返す反射神経によってこの動作を身に付けていくという。基本呼吸法は大きく肺を膨らます腹式呼吸法でこれが腹話術の基本となっている。動唇音とは唇の動く音(マ行、パ行、バ行)で腹話術では人形になるべくこの音を使用しないこととしている。同サークルではさまざまな会話を試しながら、(1)いそがずにやる(2)術者の口は大きく開ける(3)絶えずにこにこ微笑を心掛ける(4)人形に愛情を持つ(5)必ず暗記する—などを反復練習している。
「鏡を見て練習をすると上達が早くなります。腹話術は恥かき、汗かき、台本書きと言う通りせりふは決まったものがありますが、やはり自分で台本を書くようにしなければね」と米村さん。
メンバーの近藤寛さん(68)は「簡単にできると思いサークルに入りましたが、とんでもない間違いでした」とその奥の深いことを知ったという。山内みち子さん(61)は「友だちに誘われて演じることになりました。人の前で何かをやるというのは初めてで最初は緊張しました。でも楽しいです」といまでも緊張するがやりがいがあるという。
千藤さんから誘いの電話をもらったという宮崎裕美さん(34)は「腹話術ってなあにという感じで何も知りませんでした。子どものいく病院の看護師さんの前で披露したこともあります」と今ではすっかり腹話術のとりこになっている。
デイサービスで披露
人形は本格的なものは高価なためにそれぞれ自分で作ったりしている。デイサービスなどに慰問する時は腹話術のほかに手品や紙芝居、アコーディオンで童謡を歌うことも取り入れている。「こうした芸もこのメンバーでします。多彩な芸の持ち主ですから」と礒野さんは胸を張る。
「腹話術は手の届かない芸では、と思っている人がいると思いますが、環境が整えばできますよね」と当初の狙い通りの地域づくり、仲間づくりに育ってきたと千藤さんは喜ぶ。
メンバーは異口同音に「自分たちも楽しみ見ている人も楽しんでもらいたい」と口をそろえる。
問い合わせはTEL0439・52・9860 |
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