玄関に手すりを取り付ける会員 |
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「自分のために好きなことをしているだけですよ」と話すのは柏市篠籠田の吉村友佑さん(76)。吉村さんは日曜大工の腕を生かして高齢者や障害者の家のバリアフリー化などに貢献したいと仲間を募り「Dioクラブ太助」を立ち上げて10年目を迎えた。「ありがとう、ありがとうと何度もお礼を言われた喜びを1度でも味わうとやめられません」と笑顔で話す。
組織立ち上げて10年 「悩みは会員の高齢化」
一人暮らしの高齢者は住居の簡単な補修でも費用や業者の信頼性の点で不安に思っている家庭も少なくないといわれる。吉村さんたちが手掛けるのは階段、玄関、トイレなどの手すりの設置、戸車の取り換えなど古い雨戸の修理、浴場やトイレのドアの付け替え、網戸の張り替えなど小規模の作業が中心となっている。
「業者からすると手間がかかってとても利益が出るようなものではありません。電球の取り換えや壁の小さな穴の補修など本当に細かいものばかりです」。しかし一人暮らしの特に女性はこうした対応が難しい。「離れて暮らしている息子さんから依頼を受けたこともあります」
電話で申し込みを受けて依頼者宅の現場の下見を行い、依頼者と十分な打ち合わせをする。見積もりを取って担当者の手配打ち合わせ、材料購入、事前処理を行い作業に入る。
「小さい材料はホームセンターで購入しますが、やや値が張るものは資材の卸問屋で購入します。材料費と交通費の実費は負担してもらっています。わたしたちはあくまでボランティア活動ですので当然ながら利益は追求しません」
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吉村友佑さん |
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吉村さんはもともとボランティア活動に興味を持っていた。会は2000(平成12)年6月に立ち上げた。会員は12人で1人を除いて趣味で始めた人たちだ。塗装やタイル張りは勉強を重ねて技術を会得してきた。毎月第2土曜に定例会を開き、情報交換、工事の打ち合わせを行っている。「新しい電動工具の使い方や部品の知識などの研修も同時に行いレベルアップを図っています」と会員の腕が上がっていくとうれしいという。
10年間で累計700件ほど手掛けた。「朝から晩まで3~4人の工事があるかと思えば、1時間で終わるものなどさまざまですが、最近は市の児童センターからの依頼も増えています。汚れた机をきれいにしたり、窓のがたつきを直したりと市の予算が少ないためにわたしたちの所に依頼が来ます」
自分のために行動を起こしているという意識でないと長続きしないという吉村さん、体が動く限り続けていきたいと意欲満々だ。工事の依頼は原則的には柏市と流山市。
問い合わせはTEL04・7146・2020 |