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アッさて、さては南京玉すだれの掛け声で演じる |
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江戸伝統芸でボランティア
〜アッさて、アッさて、さて、さて、さて、さては南京玉すだれ〜威勢のいい掛け声とともにおもむろに玉すだれを取り出し「ちょいと伸ばせば釣りざおに」。会社勤めをしながら東京・中央区の区民文化講座の演芸教室に通い、伝統芸・南京玉すだれを習い生涯の趣味とした柏市あかね町の中村嘉夫さん(81)。「この年で遊ぶことができて幸せですよ」と教え子とともに高齢者施設やデイサービスに出向きボランティア活動に精を出している。
中村さんは江戸の伝統芸に興味があり、たまたま中央区の広報を見て文化講座を知った。1週間に1回夜、日本橋人形町に通った。文化講座では南京玉すだれと落語を習い1998(平成9)年度に修了した。その時の芸名は建設会社に勤務していた関係で「大形亭十喜」。その後、江戸伝統芸のやなぎ南玉さんのもとに通い南京玉すだれの技を高めた。「技を教えてくれたのはもちろん、これ以外に礼儀やけいこも厳しく所作をたたきこまれました」
2002年から柏市で「よみうり文化センター」で南京玉すだれ講座を受け持った。「7年教えました。昨年9月終了の7期生7人と昨年4月に“おかめひょっとこ”という南京玉すだれのグループを結成して活動を開始しました。男女半々ですが、女性の方が色気があっていいですね」
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中村嘉夫さん |
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「81歳、遊べることが幸せ」
「南京玉すだれに取り組むと病みつきになる人もいます。そのような人は上達も早くわたしなんかよりうまく演じますよ」と好きであればだれでもできるという。1〜6期生は独自に活動、祭りなどに出演している。
衣装やすだれは自前で購入するが、特にすだれは手作りのために1万円以上するという。「趣味でしていれば出費は仕方がないですよね。三味線が趣味であればもっとかかりますしね」と話す。
「わたしも81歳ですが、手先を使うために脳の活性化にも役立っているようです。自分で楽しめて、見ている人も喜んでくれて、定年後の第2の人生は幸せです」
毎月月末の日曜日にメンバーとともにけいこをしており、希望者には伝授すると中村さんは言っている。
問い合わせはTEL04・7163・6806
南京玉すだれ
日本の大道芸のひとつ。始まりは定かではないが江戸時代の末期といわれる。発祥の地といわれるのは富山県の五箇山で日本独自の芸能だ。1人の演者が約30センチの竹を編んだすだれを持って歌に合わせて釣りざおや国旗、柳などに見立てる。 |
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