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リクエストで参加者が合唱する |
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司会と指導 豊かな声量で参加者を魅了
♪山の娘ロザリオ いつも一人歌うよ〜
毎月第1金曜日、君津市久留里駅の上総公民館に歌声が響く。団塊世代に懐かしい歌声喫茶の出現だ。司会と指導をするのは佐倉市のGOMBE(ごんべ)こと島田忠之さん(68)。「その場の雰囲気に合わせて選曲をしてメリハリをつけた運営を心掛けています」と豊かな声量、声質と参加者を大いに笑わせる会話で会場を今日も盛り上げる。
月に1回、喫茶が出現
6年前に第2の定年を迎えた島田さん、平均寿命が伸びる中、「70歳まではボケないでいられるとして、自分の時間をいかに確保していこうかと考えました」と話す。何をして自分の時間を作るかと考えたとき、昔から好きだった歌で過ごそうと決めた。そして62歳のとき、シャンソン歌手の高木満寿美さんに師事、ボイストレーニングを1年間積んだ。それから歌を中心とした充実の定年後の生活が始まった。
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島田忠之さん |
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2004年には高木さんがオーナーを務める東京・銀座のライブハウス「月夜の仔猫3651」で毎月第2土曜日に出演するようになった。
「ここではシャンソンとロシアの歌を歌います。とくにロシアの歌が廃れていくような気がして力を入れて歌っています」
そんなとき歌声喫茶で知り合った久留里の清水ユキ子さん(62)から「歌声喫茶を始めたいので手伝ってほしい」との連絡を受けた。そして07年6月に島田さんの司会、指導で第1回目の「うたごえ喫茶ジョイ」が開催された。
企画した清水さんは気功サークル「ジョイ」を主宰していたが、地域の高齢化に対応して社会参加の機会を増加したいと歌声喫茶を提案した。「歌うことで肺の活性化による健康の向上も期待できますので島田さんにお願いしました」と話す。
参加者はリクエストを提出してそれに応じて歌う。特にリクエストを出した人は前に出てマイクで歌うこともある。昨年のリクエストナンバー1は「みかんの花咲く丘」で10回歌われた。以下、翼をください、芭蕉布、たんぽぽ、カチューシャ、山小舎の灯、あざみの歌、惜別の歌、ここに幸あり、下町の太陽など童謡、唱歌、ホークソング、ロシア民謡、歌謡曲など幅広い。「“愛に生き平和に生きる”と“今日の日はさようなら”は最後に歌います」と手をつなぎ合唱する。3時間、約40曲を熱唱する。
最後に手をつなぎ「今日の日はさようなら」を熱唱 |
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30〜40人、遠方からも
参加者は地元の主婦や団塊世代らで中には92歳の母親を連れて毎回参加している人もいる。「千葉市から1時間もかけてバスを利用して参加する人や我孫子からも駆けつける人もいます」と清水さんは話す。
島田さんは現役のときは福祉関係に携わっていた。定年後にISOの契約審査員、福祉サービス第三者評価の評価者の資格を取得、これを生かして時折、仕事をする一方、「年金をもらっているので少しでも地域振興のお手伝いができれば」と高齢者施設に出向きボランティアで歌うこともある。久留里以外でも東京・駒込、八千代市勝田台で歌っている。
「老醜をさらさないで、声の続く限り100歳になっても歌いたい」との気持ちを持つ島田さん、その歌への意欲は当分衰えそうもない。
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♪くるり酒蔵コンサート 懐かしい“うたごえの歌”の夕べ
日時:9月26日(土)午後6時
場所:吉崎酒蔵・酒蔵(JR久留里駅徒歩5分)
出演:GOMBE、唐土久美子、岡田桃子。曲目は果てもなき荒野原、ステンカ・ラージン、灯、白神山地の詩、百万本のバラほか
料金:1000円
問い合わせ:TEL090-1047-0483 |
久留里うたごえ喫茶ジョイ
原則として第1金曜日に上総公民館で午後1時〜4時。会費は800円(ドリンク付き)。次回は9月4日。
問い合わせ:TEL090-1047-0483(清水) |
月夜の仔猫3651
JR新橋駅徒歩4分。こぢんまりとしたライブハウス。ジャズ、カンツォーネ、シャンソンなどを演奏。
問い合わせ:TEL03-3573-3651 |
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