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相撲甚句に魅せられて 野田相撲甚句会/野村修三さん |
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全日本相撲甚句協会発表大会 |
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はあ〜 どすこいどすこい
15日(日)から大相撲春場所。「はあ〜、どすこい、どすこい」の掛け声が響き渡る相撲甚句。しみじみと哀愁を帯びた一本調子の相撲甚句がジワリと人気だ。「歌って感激!聴かせて感動」をモットーに活動するのは「野田相撲甚句会」。代表の野村修三さん(71)は「1曲約3分に自分の個性を感じながら歌うのですが、奥行きが深いです」とその魅力に取りつかれている。
野村さんが相撲甚句に魅せられることになったのは1996(平成8)年8月のある新聞で、相撲・演芸評論家の小島貞二さんの相撲甚句についての記事を読んだことに始まる。
習いたいとの気持ちが強まり、調べてみるとその年の10月から相撲甚句教室が開かれることが分かり早速受講した。当時、野村さんは大手生命会社に勤務、通勤帰りの東京・北千住で週1回、1年間受講した。講師は(財)日本相撲協会教習所講師の国錦耕次郎さんで、以来師事している。
卒業後は埼玉・春日部の相撲甚句会に入り声を磨いた。「03年に野田相撲甚句教室を開設して、野田での活動が始まりました。05年度には会に昇格しました」とその間、全日本相撲甚句協会に加盟して活動の幅を広げた。
相撲甚句は日本の国技である大相撲とともに、江戸幕末のころから流行したといわれる。巡業中の余興として歌われ、力士のけいこ内容やその土地の特徴を表現している。前唄、後唄、本唄、はやしで成り立っている。楽器は使わず、「はあ〜、どすこい、どすこい」で調子を取る。
歌詞は引退力士の功績や語り継がれた名所甚句が多い。「自作自演で銀婚式に頼まれて歌ったこともあります」と祝いの席でも歌う。
「単純なだけにリズムを取ってまとめ上げるのが難しいですね。どうしてもテンポが速くなりじっくりと歌い上げることができなくて。師範や上手な人は重みがあってゆっくりとできるのですね」と野村さんは言う。
腹から大声 健康に最適
会員は15人で年間20回ほど各種イベントやボランティア活動に参加している。けいこは毎週土曜午前10時〜正午まで野田市民会館で。「準備体操から始まって発声、甚句とけいこが進みます。腹から大きな声を出すのは本当に健康にいいですよ」と効用を語る。
「国技館の中で相撲甚句を聴いてもらえることが、われわれの特別の喜びです」と協会加盟の団体が交互で出演する。「今は手話に挑戦しています。相撲甚句を手話とともに演じて愛好者が増えることを願っています」と普及に全力で取り組む。
野田相撲甚句会
問い合わせ:TEL04-7124-9766 |
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