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人形通して日米国際親善 浦安市/浦安親善人形交流の会 |
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人形制作に精を出す山田さん(右)と石塚さん |
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「日本人形」と「青い目の人形」を通じて日米国際親善。1995 (平成7 )年に浦安市に親善人形交流の会が発足、この2月にアメリカ・フロリダ州オーランド市のソーンブルック小学校へ市松人形1体を寄贈、活動を開始してから 36体目となった。「1体ずつ心を込めて制作します。子どもたちに平和への大切さを感じてもらえれば幸いです」と代表の辻村聖子 (しょうこ) さん (65) は語る。
2月に36体目を寄贈 心込めて1体ずつ制作
取り組みのきっかけは1927 (昭和2) 年の出来事にさかのぼる。当時、日本とアメリカは日本人移民排斥運動が高まるなど関係悪化の一途だった。宣教師として20年の来日経験があるシドニー・ギューリック博士は心を痛め、財界の渋沢栄一氏らとともに日米で「友情の人形交流」を計画し、アメリカの子どもに呼び掛けた。「子どものころから国際親善の心を育てなくてはならない」の信念のもとに計画したものだった。そして3月3日のひな祭りに間に合うように27年2月に1万2378体の人形が贈られてきた。
「日本も答礼人形として58体の市松人形をクリスマスに間に合うように贈りました。80センチもある美術的なものでしたので、アメリカには40体ほど現存しています」と辻村さんは語る。
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06年にメモリアル中学校に寄贈した富岡もみじ |
子どもに平和の大切さを
送られてきた「青い目の人形」にはパスポート、メッセージがつけられている。その人形は各地の小学校、幼稚園に贈られた。千葉県にも214体贈られたという。その後、第2次世界大戦が勃発 (ぼっぱつ)。敵国の人形ということで焼かれたり、壊されたりした。その結果、全国で現存するのは340体余り。千葉県では10体確認されている。
浦安市とオーランド市は90年に姉妹都市を結んだ。オーランド市のイザベラ・マジュリー嬢が贈った親善人形「アナマジュリー」が香川県仁尾町に残っていたことが分かり、95年の姉妹都市提携5周年記念式典で同人形の里帰りと「21世紀へ向けて新しい親善人形交流」を宣言して、人形を届ける活動がスタートした。オーランド市からもこれまでに浦安市内の幼稚園、小・中学校に28体贈られた。
会員は13人で毎月第1・3金曜日に製作している。「親善交流に意義を感じながら、人形作りをしている会員の皆さんです。全員見よう見まねで作ってきました。特別習ったことはないのですが、きっと好きなのですね。それに布を持つと気持ちが安らぎます」と辻村さん。「若い時は着物を作りましたが、最近はあまりね」と言いながら針を持つ石塚久二子さん (66)。「13年していますがなかなか思う通りにはできません。わたしは洋裁をしていましたが和裁はしたことがありません。人形の頭と手、足は粘土で、ボディーは木くずを布に入れて形を作ります」というのは山田恵子さん (57)。
「95年に活動を取り組む際に全員が自分の着物の古着で人形を作りそれぞれ第1号の人形を1体持っています。以後、贈る人形を制作しています。もし古着が余っていたら協力してほしいですね」と辻村さんは呼び掛ける。
◎浦安親善人形交流の会
問い合わせ:ファクス&TEL047-352-7855(辻村) |
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