|
一心不乱に仏像を彫る会員 |
|
「彫り終わって仏像が完成した時の満足感は何物にも代えがたいものです」と話すのは千葉市若葉区で仏像彫刻「円空彫り」教室を主宰している醍醐照夫さん (65) 。醍醐さんは4年前に楽器メーカーを60歳で定年退職、3年前にこの教室を開いた。現在会員は13人で金曜日の午後思い思いに仏像を彫っている。
「仏像彫刻後の満足感 何物にも代えがたい」
醍醐さんは11年前に転勤で静岡県・浜松に単身赴任、「それまでにも油絵や山登りなど趣味を持っていましたが、1人ですので何かに取り組みたいな、と考えていました」。その矢先に「慈悲と微笑をたたえる」といわれる「円空仏」彫りに出合った。
それからカルチャー教室の講師・松下唯人さんに手ほどきを受けた。浜松に赴任の7年間、余暇時間は円空彫りに費やした。そして浜松で定年を迎え、千葉に戻ってきた。
「円空彫りの教室を探しましたが、千葉近郊にはなく、松下さんに相談したところ、教えるのも勉強になるだろうということでキャリアは浅いのですが教室を開くことにしました」と言う。
彫刻はかなり大きな音が出るため、場所は若葉区・千城台公民館を借りている。写真を参考に彫っていくわけだが、「ベテランになれば、25センチぐらいの仏像であれば6〜7時間で彫れるようになります」と話す。
|
醍醐照夫さん |
慈悲と微笑
円空彫り教室主宰
「いままでわたしが彫った中で1番大きいのは1メートル20センチでしたが、これくらい大きくなると彫ってても本当に面白いです。円空彫大会などでは2 メートルを彫る人もいます」と顔を輝かせて説明する。木はヒノキや杉が中心で1本購入し製材してみんなで使うが、「価格もある程度するため大きなものは早々できません」と言う。
円空は江戸時代初期、美濃国(岐阜県)に生まれ、早くから仏門に入った。修行で全国を行脚し、その間、寺社、民家に泊まり一宿一飯の恩義に応えるために仏像を彫りお礼の代わりとした。その数12万体とされているが、現在5000余体が発見、確認されている。民家には一晩で彫るために10〜15センチほどの小さなものが残されている。ただ千葉県には足を入れていないために残されていないという。
『円空彫り教室』
月3回。金曜日午後1時〜5時。
場所 : 千城台公民館
入会金 : 2000円
会費 : 月1500円
材料費 : 実費
問い合わせ : TEL043-236-0567 |
|
| |
|