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「古い本では1800年初頭のものがあります」と大澤さん |
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ゴルファーの一代記 洋書の翻訳も手掛ける
ゴルフ書コレクターで我孫子市布佐の大澤昭一郎さん(66)は、ゴルフ書収集を通じて意外にもゴルフ関係の洋書が翻訳されていないことを知り、自ら翻訳に乗り出し、昨年末にはアメリカの稀代のプロゴルファーであるウォルター・へーゲンの一代記を発刊した。大澤さんは「75歳までに10冊の翻訳を目指しています。翻訳はぼけの防止に役立ちますので1日1ページを心掛けて訳していきます」と話している。
大澤さんは2000(平成12)年に大手電機メーカーを60歳で定年退職、その後現役時代から趣味としていたゴルフ書収集から一歩踏み出し、翻訳を志した。
ゴルフとの出合いは71年に「これからはゴルフだぞ」と先輩に誘われて、ゴルフショップに連れて行かれハーフセット1式を買わされる羽目になったことがきっかけ。クラブを買った以上はレッスン書も必要だろうと、記念すべき1冊目「ゴルフの手ほどき」(柴田敏郎著)を求めた。
その4年後の75年、出張先の奈良駅で「ベッドで読むゴルフの本」(摂津茂和著)を購入した。この本が収集にのめり込む動機となった。新幹線のなかでぱらぱらと読んでいくうちにだんだんと引きつけられた。ゴルフ書収集の苦労話や「ゴルフ・コレクターズ・ソサイエティ」(GCS)の創立などが書かれており、「世界にはとてつもない収集家がいるものだと感心しました。当時私の蔵書は21冊でそれなら日本のゴルフ書でも集めようと思いました」。以来「継続は力なり」と31年間集め続け、3700冊にまでなった。このうち洋書は200冊。77年には日本人で4人目のGCS会員になった(現在は11人)。
「小説でもゴルフの場面が出てくるものなどは収集の対象にしました。雑誌は創刊号に限っています」
75歳までに10冊目指す
東京・神田の神保町に行っての古書店巡りが続いた。集めれば集めるほど対象本が少なくなって収集が難しくなるという。「これからゴルフ書は00年までの古書の欠落を補完しながら幻の『娯留夫図説』(頭本元貞著)を追い続け楽しんでいきます」。本の収集だけでは飽き足らず「絵や置物、焼き物、テレホンカード、オレンジカードなどにも手を出しました」。
定年後は再就職の意志がなかったため「ゴルフで得た楽しみはゴルフへ返せ」の気持ちから翻訳に挑戦しようという考えが頭をもたげた。まず定年前に「現代英語翻訳講座」を修了、定年後は「翻訳家養成コース」に挑戦した。さらにパソコンに翻訳ソフトと大型辞書をインストールして環境を整備した。
「現在4冊の翻訳が終わっています。あと9年の間に大書もありますので6冊をめどにやろうかと思っています。アマチュアの特権で気に入ったもの、おもに伝記をのんびりと訳していくつもりです」と原書を手に楽しそうに話す。
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