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赤い唐辛子の "首飾り" をしたお地蔵様が、文京区小石川の福聚 (ふくじゅ) 院境内にある。首飾りに付いている唐辛子は、40〜50個ほど。わらなどをひも状にした上で、編みこんでいる。首飾りは現在5、6本あり、首の周りは真っ赤だ。
「とうがらし地蔵」は明治初期、近くに住んでいたおばあさんの話に由来する。持病のぜんそくのため、大好物の唐辛子を食べることを医者に禁じられたおばあさん。「死後は仏様になって、みんなのせきを治す」という遺言を残した。おばあさんが亡くなった後、その話が広がり、境内の石仏のひとつがいつしか風邪やぜんそくに効く「とうがらし地蔵 (せきどめ地蔵) 」として、広く信仰されるようになったという。
別の話もあり、おばあさんは唐辛子を食べて命を落としてしまい、それを悲しんだ近所の人たちが唐辛子を供えて供養したとか。住職の布施寛詳さんは「どちらが正しいか、わたしにも分かりません。民間信仰ですが、今では遠くから来られる方もいますね」と話す。
首飾りは年末に1年分を取り外すが、毎年春までには5本以上が掛けられるという。「熱心な信者が奉納してくださるようです。気が付かないうちに (本数が) 増えていますね」と布施さん。境内は幼稚園の敷地にもなっていて防犯上、平日は門を閉じているが「拝観希望の方は、気軽に声を掛けてください」とか。
『とうがらし地蔵』
アクセス : 地下鉄後楽園駅から徒歩15分。 |
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