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毎週木曜日、深川スポーツセンター（本部教室）で開講される太極拳教室。昼の部は中高年、夜の部は会社員やOLなどを中心に各回40人以上が参加している |
忙しい現代人の病根とされる「運動不足」「食べ過ぎ」「精神不安」…。これらを克服する“心と体の健康体操”として太極拳が注目されている。40年の伝統がある「太極拳を学ぶ会」（台東区）は太極拳を「動く禅」と位置付け、「ゆったり、ゆっくり、おおらかに」をモットーに掲げる。毎週、江東区などで太極拳教室を開講。老若男女が一堂に集い、楽しそうに汗を流している。
1971年創立の同会は、日本では“古い”老舗の会だ。今では見慣れた太極拳の緩やかな動きや型も、「40年前、公園で練習していると、近所の子どもたちに『タコ踊り』と笑われた」と同会の村瀬大翼会長（70）。ゆっくりとしたラジオ体操のようでありながら、型の中に「受けの技」「攻めの技」を有した武術でもある太極拳。本場・中国で学んだ村瀬さんは「太極拳は、心（悟り）・技（武術）・体（健康）の3要素が一体となったもの。体の健康に重きを置かれがちだけど、心の修養も大事」と話す。
「力を用いず、意識を用いる」「雑念を払い、精神統一する」。村瀬さんによれば、この2つが太極拳運動の特徴だという。足首回しや膝伸ばしなど下半身の柔軟体操…。「体内に気を流すこと」に重点を置く同会だけに、約2時間の練習は念入りな準備運動から始まる。
その後、中国の健康医療体操（練功十八法）などを経て、レベル別の実技指導へ。トップクラスの指導者がきめ細かな指導をしてくれるので初心者でも安心。同会広報部長の原田光恵さん（72）は「月に1回、中国の原書をひもといた講義があるのも特徴です」。
無理なく健康に
関節痛や冷え性、更年期障害、高血圧…。生活習慣を整えていく太極拳は、さまざまな人にお勧めだ。下半身の筋力や柔軟性、バランス感覚など体力を向上させる効果も。
例えば昨年夏に入会した竹内良子さん（60）。太極拳を始めて3カ月ほどで体内の変化を実感し始めたという。「たくさんの汗が出てくるようになり、5〜6年前から高かったコレステロール値は、半年後には正常値内に。呼吸法を応用して、趣味のゴルフでもうまく打てるようになりました」。また、心臓ペースメーカーを装着する山洞敏郎さん（78）は入会10年の常連。激しい運動では心拍数が上がってしまうというが、「太極拳なら、体に無理なくゆったりゆっくり。自分の体と対話しながら、優れた有酸素運動を実感しています」。
最近では高齢者の介護予防を目的に、太極拳を積極的に推進する自治体もある。現役の介護福祉士としても活躍する原田さんは「2〜3年前からボランティアとして老人ホームでも教えています。下半身の筋力強化ができる太極拳は、転倒や寝たきりの予防にも最適。『太極拳リハビリ』として、車いすや認知症の方が座ってできるものもあります」。 |
初心者向けの太極拳 無料体験講習会
26日（木）、深川スポーツセンター（地下鉄門前仲町駅徒歩5分）3階多目的ホールで。昼の部午後2時、夜の部同6時半から。
初心者を対象に、太極拳理論の講義と実習を行う。無料。定員100人（申し込み先着順）。参加者は動きやすい服と室内用運動靴を持参のこと。問い合わせは同会 TEL.03・3824・0036 |
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