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季節はずれの雪? いや、塩が積まれているのだ。西新井大師總持寺には“いぼ取り地蔵”ともいわれる「塩地蔵尊」がある。
西新井大師の山門をくぐってすぐ左。大きなほこらに、塩地蔵は鎮座している。全身塩をかぶり、頭の上には10センチ以上も。これでも3日前に掃除したというが、すぐに塩は増え、堂の外にもあふれている。
江戸時代からいぼ取りに霊験ありと伝えられている。塩をいただき、その功徳があるときには、倍の塩を供えるのだという。肩や腰などにも御利益があるとされ、体の悪い部分と同じ個所を塩でなでる人も多い。塩でこすったせいか、表情はほとんど分からない。
「いぼはとれるよ、自信がある」と、塩地蔵の近くで露店を出している中年の男性。以前、ひとつまみの塩をもらって帰り、毎朝、顔を洗ったあとに塩でいぼをたたいていたら、5日後にはいつの間にか取れていた、というエピソードを披露してくれた。「塩でいぼがとれるもんなら、医者なんていらねーと思ったけどね。ものごとは信じるもんだな」とうなづく。そう言われてよく見てみれば、60代後半にしてはしわも少なく、肌つるつる。「そりゃ、これ(のおかげ)だ」と健康米を差し出し、商売も忘れなかった。
足立区西新井1の15の1。東武大師線大師前駅徒歩3分。 |
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