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多摩川に注ぐ浅川を撮影。 |
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孫の成長する姿や旅先の風景の撮影など定年後の趣味としてカメラを始める人は多いはず。中には「始めるからにはいい写真を」と高価なカメラ機材を取りそろえるなど、ついつい“形”から入ってしまう人もいるのでは?
「まずは“写真の楽しみ”を知ることから始めるのが大事」と言うのは(有)スタジオウィット代表の島峰譲さん(60)=八王子市。広告写真やポートレート、風景写真などを専門に35年以上撮影の仕事を続けてきた島峰さんに気軽に楽しめる“写真術”について聞いた。
15年前から写真塾を開講している島峰さん。中高年も多いという塾生に対し、「基本はうちの周りを撮ること。同じ場所でも毎日見え方が変わってくる」と教えるのが島峰さん流だ。
一眼レフカメラや三脚など重装備は不要。「まずは歩くことが大事。健康にもいいし、疲れたら帰りはバスに乗ればいい」と笑う島峰さん。持ち運びがしやすい小型のカメラを携帯し、おなじみの散歩コースへ出かけよう。
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同じ風景でも「水の流れ」に注目することでまったく違った印象になる |
テーマはゆるく
道端に咲く花や空に浮かぶ雲。同じ花でもある部分に注目することで“人の顔”に見えてくることも。切り口を変えると見え方が変わる。広告写真のような高度な技術力を求めるよりも「その日に感じたものを撮るのがいい」と島峰さんは話す。
テーマも花や鳥など具体的な“モノ”で絞らずに、少し抽象的な設定にするのがポイントだという。被写体が見つからずに落ち込むという心配がないからだ。例えばこの季節、「春」をテーマに花の名所を訪ねるのもひとつの方法だが、「“春の薫り”が感じられる瞬間など、撮影者の感覚が大事」と島峰さん。「模様」というテーマの場合、壁の落書きやマンホールのデザイン、家並みが作る影なども面白い被写体になる。
島峰 譲さん |
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真心写した作品を
中には「絵や詩はかけないけれど写真なら簡単」「1度行った場所だから撮る必要がない」という人もいるかもしれない。だが「写真は真心を写すもの」と島峰さんが言うように、写真は自分を表現する手段でもある。「写真は記録メディアですが、どこへ行ったという自慢ではなく何を感じたかを残すもの。カメラを通して自分探しをするような気持ちで撮ってほしいですね」
(有)スタジオウィット
お問い合わせは
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