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06年に訪れたアルゼンチン・イグアスの滝で
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定年を迎え、時間の余裕ができたなら思い切って夫婦で海外旅行をしてみませんか。「危険、面倒くさい」などの理由から海外旅行を敬遠する人も多いが、「国外での旅行は、新しい出会いがありますし、自分自身や夫婦の新しいよさや能力を発見できるのでお勧めです」と東京海外旅行研究会に所属する松本利喜男さん(63)・知江子さん(62)夫婦は語る。同会で出会い結婚した2人は現在も仲むつまじく、1年に2、3回の海外旅行を楽しんでいる。
これまで2人で20カ国以上を巡ったという松本さん夫婦。「初心者の方には、ハワイ、台湾、田舎でも英語が通じて交通も発達しているマレーシア、とにかくご飯がおいしいベトナムとトルコがお勧めです」と利喜男さんは話す。一方、知江子さんはヨーロッパが好み。互いに交互で相手の行き先に行くが、「しぶしぶではなく、割り切って、そこでしかできない楽しみを見つける」という。
チケットはインターネットか旅行代理店で購入する。「ヨーロッパは夜行便を使えば往復で5万円ほど安くなります」。毎日外食はせず、市場とスーパーで仕入れたものを食べる。湯沸かし器を持っていき、カップヌードルやみそ汁、おにぎりパックなどを食べることも。「やはり和食を食べると元気になりますよ」と食料担当の知江子さん。
そうやって節約する一方、「海外ではまさに“タイムイズマネー”ですから、多少高くても携帯電話を使います。わたしたちは日本でも海外で使える機種を使っていますが、空港でも借りられます。海外で公衆電話を探すのは大変ですし、壊れている場合も多いです。携帯電話があるといざという時に非常に便利です」とベテランらしいお金の使い方も。
疲れないように気を付ける、はぐれたりなくした時のためにガイドブックは2冊それぞれ持つ、保険はカード会社のものに入る、などの細かいアドバイスを教授する。
これらの法則を見いだすまでに、2人は失敗を繰り返したと笑う。「もう日本には帰れないのではないかと思った時もあったけれど、火事場のばか力や互いの協力でいつも何とか切り抜けてきました。そういった経験でより夫婦のきずなが深まったと思います」と声をそろえる。
ニューヨークへ旅行した時、帰りの便に乗りそびれ途方にくれた。すぐに日本大使館に連絡を取り処置したが、荷物を持ってうろうろしては危ないので、滞在中よく利用していた韓国人オーナーが経営するデリカッセンに荷物を置かせてもらった。引き上げる時にお礼を渡そうとしたが、オーナーは受け取らなかった。「正直に言うと、それまで韓国人に対する偏見はありましたが、それが払しょくされました。ロシアに行った時も人の親切さに驚かされました。偏見を持たず、ぜひ飛び込んでみてください。発見と出会いがありますよ」
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