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MCTオイルは吸収が早い一方で、初めて摂取する場合は胃腸に負担を感じることがあるので、最初は1日あたり2グラム程度から始め、少しずつ量を増やしていくのがポイント |
4月に入り、「人間ドッグ」を受けられるという人も多いと思います。その際はぜひ「肝臓」をチェックしてください。特に腹部エコー検査を行うと、肝臓と腎臓のエコー画像を見ることができますが、腎臓よりも肝臓の方が白く映っている場合(これを「肝腎コントラスト」と呼びます)、肝臓が「脂肪肝」になっている恐れがあります。脂肪肝は肝臓の細胞に過剰な脂肪が蓄積した状態を指し、運動不足や食べ過ぎによるカロリー過剰が重なることで、罹患(りかん)し、放置すれば肝硬変や肝臓がんにつながることがあるため、注意が必要です。
“隠れ脂肪肝”をセルフチェックする方法もあります。「週に2回以上の運動習慣がない」「BMI(肥満度を表す体格指数)25以上の肥満である」「寝る2時間以内に食事をすることが多い」「健康診断に1年以上行ってない」―この4項目のどれか1つでも当てはまれば、脂肪肝の可能性があります。心当たりはありますか?
私のクリニックでは、脂肪肝の可能性がある患者さまには、生活習慣の改善が重要であることを前提としつつ、そのサポートとしてMCTオイルの活用を提案することがあります。
MCTオイルとは、近年、健康志向の高まりとともに注目されている油で、その特性はダイエットやエネルギー補給に役立つだけでなく、脂肪肝の改善や予防に寄与する可能性も示唆されています。MCTオイルの主成分である中鎖脂肪酸は、一般的な油に含まれている長鎖脂肪酸と異なり、消化吸収が非常に早く、小腸から肝臓へ通じる門脈を経て直接肝臓へ運ばれ、すぐに効率よくエネルギーに分解されるという特性を持っています。このため、通常の脂肪と比べて体に蓄積されにくく、脂肪肝のリスクを軽減する効果が期待されています。
MCTオイルは140度程度の過熱で発火する特性上、加熱調理には不向きなので、出来上がった料理にかけて食べてください。サラダのドレッシングに加えたり、温かいスープやみそ汁にひとさじ加えることで、続けやすく、満足感も得られるので、おすすめです。
《虎ノ門中村クリニック院長 中村康宏》 |
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