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キャスリーン・バトルという大ソプラノの名は、オペラ・ファン、声楽ファンのみならず、ある世代以上なら、かなり多くの人が知っているはず。1980年代後半、洋酒のテレビCMで白いドレスを風にはためかせ、どこまでも伸びていく美しいコクのある声でヘンデルの「オンブラ・マイ・フ」を歌う若き黒人歌手のことは、今も脳裏に浮かぶのではないでしょうか? そのバトルが日本に帰ってきます!実に14年ぶりの来日公演です。
バトルは初め小学校の教師を目指していましたが、その美声がプロの目に留まり、本格的なトレーニングの末、瞬く間にスターダムに。あの20世紀を代表する大指揮者カラヤンにも認められ、彼によってウィーン・フィルのニューイヤーコンサートで史上初、歌手としての共演者に起用されました。また、ザルツブルク音楽祭への出演や、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場(MET)はじめ、世界の名だたるオペラハウスでドミンゴやパバロッティの相手役を務めるなど、当時を代表する歌姫として活躍。日本にも何回も来日し、先述のCMとも相まって爆発的人気を博しました。
もっとも芸術家ゆえの気難しさから周囲とぶつかることも多く、近年の活動こそ控えめでしたが、昨年METで22年ぶりに開いたリサイタルは大成功。あらためて高い評価を受けました。
さて、14年ぶりの日本で歌う曲は、かねてから得意だったモーツァルトやラフマニノフの歌曲、そして彼女の代名詞ともいえるあの「オンブラ・マイ・フ」、加えて余人の追随を許さない、ソウルあふれる黒人霊歌の数々です。懐かしくも、年月を重ねたからこそのキャスリーン・バトルの「今」を、ぜひ多くの人と聴き、分かち合いたいものです。
《KAJIMOTO 編集室長・石川篤》 |
♪キャスリーン・バトル プレミアム・ナイト♪
10月19日(木)午後7時、サントリーホール(地下鉄六本木一丁目駅徒歩5分)大ホールで。
ピアノ:ジョエル・マーティン。S席2万2000円、A席1万7000円、B席1万2000円、C席9000円。
【定年時代読者4日間限定特別受け付け】
S席2万2000円を2万円に割引。8月10日(木)まで。
Tel.03・3574・0550(午前10時〜午後6時半) |
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