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  ものしりミニ講座 平成28年9月下旬号  
専門性より多角性重視  柳田國男と考古学

柳田國男がサハリンで採集した石器
  「遠野物語」「蝸牛考」「海上の道」などの著作で知られる柳田國男は日本民俗学の創始者です。私たちの生活に根差した衣食住や祭り、昔話などの研究は、柳田がいなければこれほどまでの発達は見なかったでしょう。今日のような妖怪ブームもなかったかもしれません。

 その柳田が考古学嫌いであったことはよく知られています。「古代偏重出土品独尊」、「文献史学の手の届かない古い時代に閉じこもり、土器をいじりまわしているようでは庶民生活の歴史はわからない」というのが柳田の批判でした。しかし、実は柳田も明治後期から大正初期にかけて、土器や石器などをしきりに集めていました。中には、日露戦争でロシアから割譲されたばかりの南サハリンで集めてきたものまで。1906(明治39)年、官僚として視察した際に持ち帰ったものです。

 1910(明治43)年、柳田は東京人類学会に入会しています。当時の人類学は今でいう考古学や形質人類学、民俗学、はては言語学まで、さまざまな研究分野が混然一体となった状態でした。柳田はその多角的な視点に古文書からはわからない庶民の歴史を明らかにする可能性を見いだし、考古学にも興味を示していたのですが、それぞれの分野は次第に専門性を高めて独立していくようになります。柳田は、このようにして学問としての独自性が強くなっていった考古学を批判したのです。

 柳田はその後、独特の方法で庶民生活の変遷の歴史を明らかにする「民俗学」を確立しますが、多分野が協力し合って総合的な視点から歴史を検証する必要があるとの思いは終生変わりませんでした。

《国立歴史民俗博物館 准教授 松田睦彦》

10月10日まで特集展示
 10月10日(月・祝)まで、国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市、京成線京成佐倉駅徒歩15分)で特集展示「柳田國男と考古学—柳田考古遺物コレクションからわかること—」が開催中。一般420円。Tel.043・486・0123

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