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  ものしりミニ講座 平成25年6月上旬号  
日本各地を歩き「民家」描く  画家・向井潤吉

《六月の田園》[岩手県岩手郡滝沢村]1971年
 郷愁と輝きが混交する民家の絵を多く残した洋画家・向井潤吉(1901〜95)。向井は京都に生まれた。実家では宮大工を引退した父親が職人を雇って、びょうぶやついたてなどを制作していた。1900年代の初頭、日本は富国策の一環として繊維産業に積極的に取り組み、海外への輸出向け商品の開発が盛んであった。

 向井は、こうした時代背景、そして職人たちの仕事ぶりを日々目の当たりにすることで「ものづくり」の面白さを実感したのだろう。その上、父親から引き継いだ職人的気質もまた、彼の画家としての道を開くことになったと思えるのである。

 昭和初頭、向井は画家を志し、単身ヨーロッパに渡った。1920年代のパリは芸術の都としての光を存分に放つ地であったが、彼が選択した美術への接近方法は、ルーヴル美術館における名画の摸写であった。足かけ4年に及ぶ「摸写修業」を通じて、向井は油彩絵画にかかわる技術の習得を目指した。同時に、日々、数多くの名画に囲まれることで、西洋美術の歴史的骨格を学ぶことになった。

 しかし、日本が列強と対峙(たいじ)し戦争を起こすことになるや、向井は従軍画家として戦争記録画の制作に従事した。戦地を巡り、いや応なく悲惨な現場に立つことによって、一人の人間として、ある種の感慨を、向井は胸に抱くことになっていったようである。

 戦後、向井はまな娘を新潟県の疎開先に迎えに出かけた際に、決定的な出会いを得る。それは、古くから人々の生活を支えてきた雨に煙る「民家」の姿であった。この昭和20年の秋以降、向井は日本全国を巡り歩き、春夏秋冬の季節感をたたえた民家を題材とした作品を描き続けることになった。

《世田谷美術館 学芸員 橋本善八(よしや)》

 7月28日(日)まで、向井潤吉アトリエ館(東急田園都市線駒沢大学駅徒歩10分)で、開館20周年記念「向井潤吉と四季 春/夏」を開催中。一般200円、65歳以上100円。7月13日(土)〜15日(月・祝)は20周年記念で入館無料。TEL.03・5450・9581

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