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自分は大丈夫?チェック方は? 標準報酬月額改ざん問題 |
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阿部純二さん |
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社会保険事務所の元職員が「年金の標準報酬月額を改ざんしていた」と証言して以来、「自分の標準報酬月額が分からない」と社会保険事務所などへの問い合わせが増えている。政府は年金受給者に今年中にはインターネットによる閲覧を実施し、来年度中に現役加入者も含めて文書で知らせることを検討しているというが、どうすれば自分の標準報酬月額が正しいかどうかをチェックできるのか。
給与明細を確認
「一番よい方法は給与明細などで確認すること。銀行口座や家計簿でもよいですよ」と話すのは社会保険労務士の阿部純二さん(TEL042-722-1526)。標準報酬月額の何らかの“証拠”があれば自分で照合することが可能だという。
そもそも今回問題になっている標準報酬月額とは、サラリーマンが月給の中から支払う厚生年金保険料を決める際の前提になる数字。収入額にある程度の幅を持たせて1級~30級まである。この数字に保険料率を掛けた保険料を勤務する人たちは支払っている。ところが月給20万円のAさんの記録を社会保険事務所がかかわって10万円に改ざんしていたというのが今回の問題。
「厚生年金保険料は雇用主である企業と個人が折半して負担しています。この標準報酬月額を半分に下げると会社も個人も支払う保険料が半分になり、厚生年金加入を続けやすくなる。
しかし、年金を受け取る時に年金受給額も半分になります。本人がこのことを知らない、気がついていないというケースがほとんど。一部の社会保険事務所はそうやって自分の担当する地域の収納率をかさ上げしていたのです」と阿部さん。
第三者委活用も
この事実が明らかとなって、そのほかの記録にも改ざんがあったのでは、という不安感が社会に広がっている。いずれ年金受給者にもネットや書類で標準報酬月額が通知されたとしても、それが果たして正しいかどうかという疑心暗鬼を生む。
「昔の同僚などと話をしてみてください。受け取る年金額に差がありすぎるような場合や、送付される標準報酬月額をチェックし、その額が下がっている場合は要注意です。給与明細などはっきりした記録がない場合でも、まず社会保険事務所で標準報酬月額をチェックした後、不審事項を照会し、その回答書添付して、総務省の年金記録確認第三者委員会に文書(社会保険事務所で入手可能)で、『社会保険庁に記録として残っている自分の記録を訂正してもらいたい』と申し立てることができます」と阿部さん。
宙に浮いた5000万件の記録といい、今回のことといい、公的年金制度への不信感は高まるばかりだ。
年金記録確認第三者委員会の問い合わせはもよりの社会保険事務所へ。 |
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