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平均寿命が延び続ける中、退職から亡くなるまでの生活設計がますます重要なテーマになっている。退職金などを運用しながら上手に使っていくにはどうすればいいのか—。
リスク考え、まず試算を
日本人の平均寿命は女性85.99歳、男性79.19歳。仮に60歳で定年となった夫が80歳で亡くなって妻がその後10年生きたとすると、夫婦で30年間生きることになる。
「退職金などを普通預金に入れたままにして取り崩していくと途中で残高ゼロになる可能性もある。当面使わなくてもよいお金は放置せずに運用していかないと、いつかインフレで明日のパンさえ買えなくなるかもしれない」(FPの木村敬二さん)と懸念される。日本ファイナンシャル・プランナーズ協会に寄せられた相談内容でも資産運用やライフプランなどが上位を占め、老後のお金について関心は高い。
リタイア後の運用について考えるには最初に、ある程度リスクをとることができるお金が自分にはどれだけあるかを試算してみる必要がある。
Aさん(61)には退職金2000万円と預金1000万円の合計3000万円の資金がある。このうち至急の時に必要な資金として普通預金に200万円、病気や介護、家の改築などの費用として500万円を定期預金(または債券)、次に年金でまかなう生活費の足しとしてとりあえず20年分の800万円を定期などに預けておく。すると「ある程度リスクを取ることが許されるお金は1500万円」ということになる。
この資金をどう運用するかだが、その際よく考えなければならないのはリスク。(1)国債(日本)(2)トヨタ、東京電力など日本を代表する企業の社債(3)投資信託—の順番で購入していくのが低リスク投資の一例だ。(3)の投信では、ときどき食事や孫たちにプレゼントしたいと考える人は定期分配金が出るグローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)の人気が高い。また、元本保証を条件にする人は変額年金保険を購入するケースが多いようだ。注意したいのは、一定の時期がきたら見直すこと。その場合、見直すごとに安全性の高い金融商品にシフトしていくことはいうまでもない。
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