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  お茶の間けいざい 平成20年6月上旬号  
自宅担保に生活費融資  注目集めるリバースモーゲージ

日本総研 星貴子さん
 
預貯金少ない世帯には
生活支える有効な手段

 自宅を担保に生活費を融資してもらうというリバースモーゲージ(逆抵当融資)が武蔵野市で始まったのは、いまから27年前。その後日本ではなかなか発展しないが、少子化で年金や健康保険、介護保険など社会保障制度のほころびが懸念される中、高齢者の生活を支える金融制度として再び注目されている。

不安な老後の生活
 150坪の自宅に弟と一緒に住んでいた70代の女性が認知症になって特別養護老人ホームに入り数年後に死亡した時、36人もの相続人が現れ遺産相続を争ったことが、武蔵野市がリバースモーゲージを導入するきっかけだった。

 この女性が住んでいた自宅の土地の評価額は当時1.5億円をくだらないといわれ、それだけの資産家がなぜ、公費のかかる特養ホームに入るのかと介護現場の人たちから疑問の声が上がったという。しかも、遺産相続にはほとんど故人と付き合いがない人たちが名乗り出てみにくく争ったことが評判を呼んだ。

 この女性のように、不動産を所有していても預貯金などの手持ちが少なく、年金だけでは生活が苦しいという人を救済する目的で始まった同市のリバースモーゲージ。これまでの融資額は15億700万円にのぼるが、すでに元金11億1900万円と74%強が返済されている。貸付金利も平成11年度までは固定で5.0%、12年から毎年3月1日の長期プライムレートを適用した変動金利で利息を設定しているが、これまで返済が焦げ付いたことは1件もなく、それなりの成果をあげたといえそうだ。

 生活資金のめどが立った当の市民はもとより、国の財政負担を軽減させる意味でももっと注目されてもよいリバースモーゲージだが、アメリカの約40万件に対し日本では約1000件とその普及はなぜか進んでいない。ところが今後、再び注目を集める可能性が強まってきたのである。

赤字を貯金で補てん
 「公的年金を主な収入源とする高齢者世帯で毎月平均4万5000円の赤字を埋めるのに預貯金を取り崩しています。このままでは多くの高齢者の預貯金が枯渇してきそうです」と予想するのは日本総研の副主任研究員の星貴子さん。

 核家族化の進展で一人暮らしが増えている日本の高齢者は今後、医療費や介護費用の負担増や年金の先細りで生活費を預貯金から補てんする必要に迫られるが、銀行の超低金利は当面続く見通しのため利子収入はあまり期待できない。

 日本総研によると、生活費を補てんするのに必要な預貯金は約1700万円といわれる。しかし世帯主が65歳以上の高齢者世帯における預貯金の分布状況をみると1500万円未満が約半数を占め、老後の備えは万全ではない。貯蓄残高が150円未満も約5%あるが、ただ、そういう世帯でも持ち家率は69%あり、その資産額は2000万円近い。「預貯金が少ない世帯にとってリバースモーゲージは居住用不動産を活用して生活資金を調達できる有効な手段となります」と星さん。

 そのせいか、最近、「市議会議員の視察を含めた問い合わせは多い」(武蔵野市福祉公社の藤井悦郎氏)という状態が続いており、いわき市(福島県)や相模原市(神奈川県)など武蔵野市の事例を勉強しようという地方自治体もでてきた。それだけにリスク低減を図るなどリバースモーゲージの普及に向けた研究に取り組む必要がある。

 
アジアやアフリカから来た留学生たちの写真を見ながら、「今は、留学生たちのババちゃんです」と楽しそうに話す松永いしさん
「安心して生活できる」
資金融資と福祉を一体化
先駆けの武蔵野市の事例

 武蔵野市の福祉資金貸付制度(リバースモーゲージ)を昨年12月から利用している松永いしさんは1931(昭和6)年浅草生まれの77歳。13年前に夫が亡くなって以来、35年間住み続ける吉祥寺の自宅で一人暮らしを続けているが、同制度を利用することで「安心して生活ができます」と明るく話す。

 武蔵野市のリバースモーゲージは自宅など所有する不動産を担保にした生活のための資金融資と有償在宅福祉サービスが一体となった独自の制度で、「武蔵野方式」と呼ばれている。

 一人娘や面倒を見てきたおいやめいの独立で一人の生活になった松永さんは、「あとはみんなの世話になりません」と宣言して同制度を利用することになった。

 「看護師さんの健康管理を受けられるだけでなく、昨年10月に事故にあった時には買い物などもすぐに手配してくれました。医療費も困ったら話してください、と言ってくれます」

 「生活費用については、公社の人が『今月はどうしますか?』と尋ねてくれるので、まだ大丈夫と思ったら貸し付けをストップして自由に使えます。そして将来万が一、認知症になったらホームに入れてもらえるというので、安心して生活することができるようになりました」と松永さん。あることがきっかけで知り合った海外留学生たちにときどき自宅でごちそうし、映画や旅行に行くなど充実した毎日を過ごしている。

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